今回からは2020年3月の九州旅行について。新型コロナウイルスの流行で旅行はどうなんだ?自粛!とかいわれるようになった少し前、イベントとか観光施設はやってなかったりするけどまだ首都圏以外なら行っても大丈夫かとなっていた時のことです。

4泊5日で九州7県のうち6県を訪問しました。1日目は飛行機で鹿児島へ。肥薩線の木造駅舎めぐりです。

肥薩線について

肥薩線は熊本県の八代駅と鹿児島県の隼人駅を結ぶ路線で、八代から人吉までは球磨川沿いを走るので通称”川線”、人吉から吉松までは、ループ線やスイッチバックを駆使して山を越えるので”山線”と呼ばれています。また、山線の矢岳駅と真幸駅の間では盆地や霧島連山を見られるところがあり、日本三大車窓のひとつとなっています。

この路線は車窓やスイッチバック、明治時代の駅舎など路線自体が観光資源を多く持っており、観光路線としてもかなり力を入れていて、全部で4種類の観光列車(D&S列車)が走っています。

そしてこの路線、今でこそ超ローカル線ですがもともとは鹿児島本線としてつくられた路線です。というのも、当時熊本から鹿児島までは山の中を通るか海沿い(現在の鹿児島本線・肥薩おれんじ鉄道)を通るかとなった時、海からの攻撃に強いという点で山の中を通すことに決定しました。しかし遠回りかつ急こう配のこの路線は現在の鹿児島本線である海沿いのルートが開通した後は肥薩線という名前に変更されました。

これを書いている2020年7月、九州を豪雨が襲い、球磨川が氾濫し大水害が起こりました。この水害により肥薩線も鉄橋が流出したりと大きな被害を受けたようです。全線開通が1909年というこの路線がこんなに被害を受けたのは今回がはじめてとのこと。最近の豪雨の恐ろしさが身に染みてわかります。

つい最近訪れたところがあのような被害にあっているのを見ると心が痛みます。一日も早い復興を願うとともに、ここで改めて防災意識を高めていく必要があると感じます。

嘉例川駅

ちょっと話がそれてしましましたが、ここからは旅行のはなし。最初は嘉例川駅です。

駅舎

明治36年(1903年)開業当時の駅舎が現役で、現在は無人駅。この駅舎が有名でひとつの観光地となっています。鹿児島中央~吉松を走る観光列車「はやとの風」も停車し、停車時間で駅を見学したり駅弁などを購入できます。はやとの風については3日目乗車したのでまた書きます。

俯瞰

嘉例川バス停より。こんな駅ですが、鹿児島空港の最寄り駅です。しかしバスは1日数本しかなく、普通の利用者はそんなことをしません。空港からなら便利な高速バスがたくさん出ています。

窓口

駅舎内。開業当時は有人駅だったので、窓口跡もあります。

待合室

待合室はけっこう広め。和風の天井と照明が良い。

ベンチ

待合室内には大きめのベンチが二脚。

改札口

古いのあってか今まで訪れた木造駅舎とはまた違った雰囲気。

ホーム端

駅舎の端。左に見える石積はかつての島式ホーム。

引き込み線

貨物扱いをしていた時代もあり、その時の線路がありました。

改札

木組みは構造そのものがデザインになる。

ホーロー看板

縦型のホーロー看板。字体的にも新しいものでしょうか?きれいに塗りなおされていることはわかります。

ねこ

表に出てみると猫が丸くなっていました。

キハ40

吉松方面の列車がやってきました。ローカル線ではおなじみのキハ40形。こちらに乗車し次の目的地へ向かいます。

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