前回 の続き。金木駅で下車し、作家・太宰治の生家「斜陽館」 へ。

斜陽館

斜陽館

津軽鉄道の金木駅から歩いて10分ほど、大きな古い屋敷が見えてきます。これが太宰治記念館となっている斜陽館。

太宰治(本名は津島修治)の父親である地元の大地主・津島源右衛門氏が明治40年に建設した建物で、有名作家の生家というのに加え、明治時代に建てられた大豪邸ということで、建築物としての価値も高いようです。

入口

戦後は旅館「斜陽館」として使われていた建物ですが、平成になって金木町が買い取り、太宰治記念館として観光名所になっています。

土間

入り口から入ったところ。土間ですらとても広い。

左側はふすまで仕切られた和室で、ふすまを外せばなんと63畳というとても広い部屋になります。

いろり

板の間。天井が高くいろりもあります。

廊下

こちらは2階の廊下。

銀のふすま

和室には銀色のふすまがあったりします。

階段

2階の端にある階段。いきなり洋風になりましたが、2階には洋間もあり、この階段も1階の店舗部につながっております。

銀行

津島氏は銀行業のようなものもしており、1階の玄関近くは店舗部分になっています。淡い青の壁紙が特徴。

金庫

金融業を営む店舗でしたので、金庫もあります。

地主であった津島氏が戦後の農地改革で凋落し、他人の手に渡り、旅館になったにもかかわらず、建物がほぼ原形をとどめていることに驚きです。

戦前の建築らしい細かな装飾や、和風のなかにある洋間、明治期の豪邸として見どころの多い建物です。

また、太宰さんの小説でも、幼少期の回想等でこの屋敷が登場します。この時点では「津軽」を読みかけだったのであまり意識していませんでしたが、小説の方を読んでから見学すると、また違った見方ができるかもしれません。

しかし、太宰さん自身はこの家での生活にはいい思い出はないらしく、あまり良いようには書かれていません。

斜陽館の近くには今回は行きませんでしたが「太宰治疎開の家」という施設もあり、津軽鉄道の観光アテンダントさんによると案内の話もおもしろくオススメなんだそう。太宰さんのファンだったり小説を読んでいれば、より楽しめるかもしれません。

小説はこの旅のあと、人間失格と斜陽を読みました。今は暇なんで他も読んでいこうと思います。

硬券

金木駅に戻ってきました。ここから津軽五所川原駅まで乗車します。

そうそう、津軽鉄道の有人駅で販売されているきっぷはすべて硬券です。この時はちょうど太宰治生誕110年の記念乗車券が発売されていました。

次回は津軽五所川原駅。

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